東大の長谷川修司先生の本です。
僕はこういう本を求めていました。知っている限りこのような本はなかったです。
・「研究には人間的な要素」が付きまとう
・それに大学院生、研究者ともにもっと気遣うべきだ
というフレーズにものすごく共感しました。本当にこの2つを軽視している人が多いので。
僕を含め、人間関係のストレスで潰され研究室を去っていく(ことを考える)人がものすごく多いです。そんな背景から、この本にはものすごく共感させられます。
自分と同じことを考える人がいたことにすごく感激しました。
今からでも自信をもって自分のやり方を貫いていきたいと思います。
以下特に共感できたもの
とりあえずやってみることの重要性
←賛成です。初心者がいきなり大きな新規性のある研究なんてできるわけがない。逆に、研究を始めて3年以内の大学院生にそれができたら、その分野はちょっとおかしいのではと思ってしまいます。
研究とは非効率なもの
←大賛成です。効率化などありえない。ちなみに僕が嫌いな言葉に「研究が進む/進まない」という言葉があります。
まあ言葉はそれぞれの人のとらえ方があると思いますが、僕にとって「進む/進まない」はゴールに確実に向かっているときに使う言葉であります。研究というゴールがわからないものに対しては使わないと思いますが。。
あの小保方さんが世間で脚光を浴びていたときに「マスコミへの対応で研究が進まない」というフレーズを言っていたことがありましたが、本当に研究をやっていてこのようなフレーズを使うのか疑問でした。
勉強を完璧にやろうとするとそれだけで一生を終えてしまう。
←大賛成。なぜ多くの教授は完璧な勉強ばかりを求めているのか?
博士の学位を取得に投稿論文が必要はおかしい。
←大賛成。僕は、これを気にしていると論文投稿ばかりに目が言って大きいテーマの研究ができないからと思っていましたが、長谷川先生は、もしそれだと匿名のわけのわからない人に学位取得の責任がかかっていることになるとのこと。この考え方はなかったです。。素晴らしい。
ホーリスティックな態度(全体を見渡した視点)で反論すると好印象
←これは知らなかったですが、すごく納得です。見ているポイントを自分の研究全体にして反論するんですね。これは普段のミーティングでも使えると思います。
教授はすごろくのあがりではない。さらに研究しなくては。
昔は、教授と大学院生の議論が盛んで「修羅場」がしょっちゅうあったが今は淡泊である。
←というより、学生側が完全に弱い立場でいることが明らかになっていて、歯向かうと卒業させてくれないのでは?と心配し議論をさけているように見える。
研究者はプロとしてなら礼儀正しくあるべき
←賛成。なぜ無礼な教授がやたら多いんですかね…?
大学院教育は義務教育ではないから人それぞれの過ごし方があって良い。
←賛成。生き方を強制するような指導が残念だ。
教授が頻繁に怒っていると学生は教授が気に入った結果しか示さなくなる
←確かに。。
←だからねつ造が起こるんだな。
申請書にはすでにかなり進めている研究を計画にかく
←犯罪じゃないですかね。。
教授は忘年会では学生やポスドクにお酒をつがなくてはいけない
ー機嫌をとることを考えているようです。
←すごく今時の考え方で好きです。
-こういう態度は好きです。先生が偉そうにしてると最近の学生は開き直ったりしますので。僕ですが笑。
全体を通して、
なんか、普段僕が言っていることを長谷川先生は考えていて、普段教授に言われることをこの本の中に出てくる学生が言っている感じでした笑。先生には共感できます。
あとは、学生ごとに研究の与えられ方が違うために、頑張っていない学生の方が良い成果を得ているように見えることがあるのが研究では残念ですよね。