他の大学の先生にとって東大大学院の学生はすごく羨ましいです。一番能力のある大学の学生ですから。しかし、東大の先生も同じように考えているかというと全然違います。
東大教授は学生にすごく厳しい
東大の先生は基本的に厳しいです。厳しい理由は大きく分けて2つあると思います。1つは昔からそういうものだからという伝統みたいなもので、もう1つは教授の忙しさによるものです。

伝統的に教授は厳しい
それでも昔と比較するとだいぶ優しいそうです。昔の教授は学生に対してめちゃくちゃ厳しかったそうです。今もそうだという先生もいるかもしれませんが、今の比ではなかったということをよく聞きます。すごく厳しく突き放しても戻ってこようとする学生を育てていた感じだそうです。 それを受けて、自分も学生にそうやって厳しくして育てようとします。

学生の反応 
しかし、最近はそれが通じず、辞めてしまったり体を壊してしまったりする学生も多いようです。まあ、状況も違いますからね。日本の博士課程学生を増やす方針のもと色んな学生が博士課程に入るようになりました。精神的に弱い人もいるわけです。そんな背景を受けて、最近は教授も優しくなってきました。なぜなら、厳しくした結果、研究をよくやってくれたなら良いんですが、途中で辞められたらどうしようもないからです。まして、暴動を起こされたら大変です。昔、2chのスレで、研究室の歴代のバックアップ入っているハードディスク物理的に壊したったwwwってのがありました。それをやられたら大変です。研究室だけでなく、その後の世界に影響が出るかもしれません。 

学生の病気 
そう考えると、暴動ととらえられないけど結局迷惑になる出来事もあります。その1つが精神疾患になったことを外部に知らせることです。たとえば、研究室が原因でうつ病とか精神疾患になったとして、それがほかの研究室にばれたら、「あの研究室はブラック研究室だ」と思われます。どの世界にも、うつ病=ブラック、と考える人が必ずいます。ブラックかどうかは実はわからないのです。企業でもブラックだと認識しながら働いている人はいないでしょう。みんな働いているから、うちは大丈夫だろう、辛いと思ってるのは自分だけだっていう思考に陥ります。特に学生だとそういう風に考えるでしょう。 

忙しいから厳しくなる
時間があれば学生の発表をたくさん聞くのでその都度それなりに言いたいことを言えばいいんですけど、発表を聞く回数が少ないなら、そのときに出来るだけ急かさないといけないです。僕はちゃんとした発表は2年間で4回ぐらいしか見てもらってないです笑。もちろん、学会発表の抄録とか実験の連絡で何をやってるか連絡は結構してましたが少ないですね。 

東大生が優秀だと気づいていない
東大に研究室をもっている先生の多くは東大生はそんなに優秀だと思っていないです。いやまあ、思う学生はいるんです。それは極度に出来る学生です。その一部の極度に優秀な学生がいるためにその他の学生はできないという烙印を押されます。だから、実は東大生の半分くらいは自分は出来ない学生なんだという劣等感を感じています。ここで学生にとって辛いのが先生の態度です。出来る学生にどうしても接する機会が増えたり優しくなったりします。まあ、そうですね。できる学生の方が論文投稿、学会参加させることが多く、その分打ち合わせも多くなります。純粋に研究結果が楽しみなのもあると思います。

社会に出た東大大学院生
ところで、その出来ない学生が他の大学院の優秀な学生より全然出来る場合も結構あります。だから、東大生は社会に出てから自信を取り戻し、会社での業務に嫌気がさします。こんなことやってる場合じゃねえんだと。それでまた大学院に戻ってきたりします。

社会人経由の大学院生
大学院でも教授に一目おかれます。やはり能力が高く学生をまとめてくれるからです。 しかし、一方で能力があるのは当たり前です。だって年をとってる分だけできるのは当たり前なんですから。その後に辛い就職活動が待っています。教授もそれを念頭に年齢が高い学生には接しています。早く教育者として自立してほしいと思っているのでしょう。         

東大の先生にとっての東大大学院生の話でした。こういう視点を学生にももってほしいです。色々な視点が得られると先生の意図が見えて、厳しくても落ち込まずにいられます。